花粉症とバイオマス      
 
 

花粉症とは

  

  花粉症
くしゃみ 鼻水 鼻づまり 目のかゆみなど。
発症するとかなり辛いです。

目が痒くてこすりたくなるのでコンタクトレンズはつけにくいです。
鼻水が止まらないので鼻の下が赤くなってヒリヒリします。
ひどい時には鼻がつまって頭がぼんやりすることもあります。  

    

日本の花粉症患者数

  

  患者数
インターネットで調べたところ、現在のスギ花粉症の患者の正確な数は調査されていないようです。

図は第一三共株式会社HPからのもので、今から20年前と10年前の比較データで、耳鼻科のお医者さんとその家族の約15,000人を対象とした全国調査です。



この調査で、スギ花粉症の患者が20年前から10年前にかけてかなり増えたことがわかります。
26.5%というスギ花粉症患者の割合を、今の日本の人口1億2,600万人に掛けると、全国でなんと3,300万人もの人がスギ花粉症に悩まされている計算になります。   

    

花粉症増加原因

  

  杉
花粉症の中でも多いのがスギ花粉症。
ではなぜスギ花粉症が増えたのでしょう。
スギは古来から日本に自生していた樹木ですが、戦前には花粉症という言葉はなかったはずです。花粉症被害が拡大するにつれ、スギ花粉との因果関係がわかってきました。
自然界でのスギ花粉含有量が一定量をオーバーしたために人間の免疫機能を狂わせてしまったようです。
戦後の建築用にと、自然林を伐採して成長の早いスギやヒノキが大量に植えられ、 それらが一斉に成長したのですが、1664年に木材輸入の自由化があってスギは需要が減ってしまいました。
放置されたスギの多くは樹齢30年を超えて花粉を大量生産する樹齢となりました。
さらに手入れされていないので、スギの木は「様子が変だ、何か異常事態が起きているにちがいない・・・」と子孫繁栄のためにより多くの花粉を飛ばしていると説もあります。

    

日本の森林

  

  人工林 日本の国土を100とした場合、その約7割弱が森林です。
そのうちの約4割が植樹した林、人工林です。
森林面積の約4割を占める人工林の中でも約7割を占めるのが花粉を飛ばしているスギ、ヒノキです。

花粉症を撲滅するためには、スギ、ヒノキ人工林を伐採することが最善の方法と思いませんか?   

  
 

花粉症対策

  

  杉林 しかし、花粉を飛ばしているスギの木をすべて伐採するのは困難です。
木材価格の低迷から伐採するには民有林所有者の経済的負担が大きく、自然保護の観点からも一気にすべてを伐採するわけにはいきません。

しかし、ここで不可能だと投げ出してしまったら、花粉症撲滅が遠のきます。   

  
 

花粉症撲滅センター

  

  撲滅
スギは東北や九州で多く育っていますが、多くの杉林を抱える宮崎の真面目な木こり集団があるアイデアを思いつき実行に移しました。

「スギ花粉の発生量を減少させるためにスギ林の整備をしよう。花粉症で悩む人は多いから寄付を募ろう」
・・・ということで「花粉症撲滅センター」を発足させました。


しくみはこうです。
花粉症で困っている人に寄付をしてもらう。
寄付金を使って、民有林のスギの木を伐採する。
花粉を大量発生している樹齢30年以上のスギが減れば花粉症患者の増加に歯止めがかかるというわけです。
1,000円で62u伐採できるそうなので、1uあたり17円です。 さらに詳しくはこちら  

 
 
 

杉の木と二酸化炭素(CO2)

  

  杉とCO2
もちろんスギには良いところもあります。
そのひとつがCO2 二酸化炭素を吸収してくれるところです。

二酸化炭素は、地球温暖化の原因とされる温室効果ガスのひとつです。
日本は世界でも4番目に二酸化炭素排出をしている国のひとつです。
この世界を救うためにも、二酸化炭素を減らす工夫は必要です。

しかし、若いスギと大きくなったスギでは二酸化炭素の吸収量に違いがあります。
スギの二酸化炭素の吸収量は植えて15年くらいをピークに減り始め、花粉のピークを迎えると急激に減っていきます。

花粉のピーク前に伐採して若い木に植え替えれば二酸化炭素も削減できます。
スギの木は成長が早いそうです。
二酸化炭素吸収量が多ければ地球温暖化防止にも役立ちますよね?
(画像は東京都産業労働局より   

    

伐採した木の使い道

  

  木を植え替えて行くには、まず伐採した木をどうにかしなければ…。
住宅用としての需要が減った現在、新たな用途を探す必要があります。
イチオシが再生可能エネルギーとしての木質バイオマスです。
林野庁のホームページから木質バイオマスについての説明を紹介しましょう。

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森林を構成する個々の樹木等は、光合成によって大気中の二酸化炭素の吸収・固定を行っています。森林から生産される木材をエネルギーとして燃やすと二酸化炭素を発生しますが、この二酸化炭素は、樹木の伐採後に森林が更新されれば、その成長の過程で再び樹木に吸収されることになります。

このように、木材のエネルギー利用は、大気中の二酸化炭素濃度に影響を与えないというカーボンニュートラルな特性を有しています。このため、化石燃料の代わりに木材を利用することにより、二酸化炭素の排出の抑制が可能となり、地球温暖化防止に貢献します。 (林野庁ホームページより)  


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